レオナルド・ダ・ヴィンチの作品一覧・解説『モナ・リザ』、『最後の晩餐』

レオナルド・ダ・ヴィンチの有名(ポピュラー)な作品から、あまり知られていない作品までを厳選して紹介いたします。

モナ・リザ

レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」は、世界で最も有名な絵画の一つです。
1503年から1506年ごろに描かれたこの絵は、ルーヴル美術館に収蔵されており、女性の肖像画として知られています。モナ・リザは微笑みながら直視しており、その微細な表情や視線の不確かさが謎めいた魅力を持つことで有名です。
絵画全体はレオナルド・ダ・ヴィンチの緻密な技術と、特に「sfumato」として知られる陰影の微妙な変化を利用した描写で賞賛されています。
彼女の背景には遠近法を駆使した風景が描かれており、そのリアリズムと謎めいた微笑みによって、「モナ・リザ」は芸術の至宝として世界中で称賛されています。

Date.1503-1506

最後の晩餐

1495年から1498年の間にミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院の修道院食堂の壁に描かれたフレスコ画です。
この絵画はキリストが12人の使徒とともに最後の晩餐をとる様子を描いており、この場面でキリストが裏切られる瞬間を捉えています。ダ・ヴィンチはキリストの姿を中心に配置し、それぞれの使徒の反応や感情を緻密に表現しています。
この作品では、人物の表情や仕草、空間の使用などが巧みに表現されており、それぞれのキャラクターの内面や関係性を探求したダ・ヴィンチの技術と表現力が称賛されています。然しながら、年月とともに劣化が進んだため、その状態を維持するための修復作業が継続的に行われています。

Date.1495-1498

ヴィットルヴィアン人

有名な素描で、人体の比例と調和を示しています。
描かれたのは裸の男性で、同時に円と正方形に内接するようなポーズをとっています。この作品は古代ローマの建築家ヴィトルウィウス(Vitruvius)の著作に基づいており、人体の比例に関する理論を表現しています。
円は手の先から手の先、足の先から足の先までの円周を示し、正方形は手の先から足の先までの高さと幅を表しています。この素描は人体の調和と完璧な比例を表現するダ・ヴィンチの観察力と芸術的才能を示す傑作として、広く称賛されています。

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聖アンの聖母

聖アン(キリストの祖母)と聖母マリア、そして幼子イエス・キリストを描いた作品です。
聖アンは左に座り、彼女の膝に幼いマリアがおり、マリアもまたイエスを抱いています。この作品は三世代が描かれた珍しい構図で、それぞれの人物像が繊細な仕草や表情で表現されています。
ダ・ヴィンチはこの絵画で、神聖な母性や家族の結びつきを優雅に描写し、その緻密な観察と独創的な表現力を示しています。

聖アンの聖母 (The Virgin and Child with St. Anne)
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マドンナ・ルキニャーノ

マリアと幼子イエスを描いた絵画です。
マリアが幼子を抱いた姿が描かれており、背後に女性が見える構図です。この絵画はダ・ヴィンチの制作とされていますが、正確な制作年や制作者については諸説があり、サンクトペテルブルクのヘルミタージュ美術館に収蔵されています。
静かで優美な雰囲気と、人物像の微妙な表情が特徴であり、ダ・ヴィンチの独創的な描写が見られます。

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聖母子と聖アン

聖アン、幼子イエス、およびマリアを描いた作品です。
この絵画は、聖アンがマリアと幼子イエスを優しく見つめる構図で描かれています。ダ・ヴィンチの特徴である微妙な表情や緻密なディテールがこの作品にも見られ、聖アンの柔らかい視線と人物たちの親密な雰囲気が特徴です。
現在はサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に所蔵されています。

聖ヨハネ

聖ヨハネを描いた絵画です。
この絵画では、聖ヨハネが特徴的なポーズで描かれており、右手をキリストに向け、彼を指し示すような仕草をしています。この作品は、モナ・リザなどと同様にダ・ヴィンチの特徴である微妙な表情や精緻なディテールが見られ、聖ヨハネの柔らかな視線が印象的です。
現在はパリのルーヴル美術館に収蔵されています。

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サルヴァトール・ムンディ

イエス・キリストの肖像画で、イエスが右手を上げて世界を祝福している構図が特徴です。
この絵画は現存する中で、ダ・ヴィンチが描いたとされる数少ない肖像画の1つとされています。その精緻な描写や神秘的な雰囲気が注目され、2017年にニューヨークのオークションで売却された際には記録的な額で落札されたことでも知られています。
しかし、作品の真贋や所在に関して論争があり、現在は所在が不明な状態となっています。

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