美術史年表

古代エジプト美術(紀元前3000〜紀元後300)


宗教性・象徴的表現


ツタンカーメンのマスク、ピラミッド建築

ギリシャ美術(紀元前900〜紀元前31)


理想美・写実・比例


フィディアス、ポリュクレイトス

ローマ美術(紀元前500〜476)


写実・建築技術


トラヤヌスの柱、パンテオン

B.C(紀元前)

ビザンティン美術(330-1453)


黄金背景・宗教的象徴

ハギア・ソフィア、イコン画

ロマネスク(1000-1200)


厳粛な宗教表現

サン・セルナン教会

ゴシック(1140-1500)


垂直性・ステンドグラス

シャルトル大聖堂、ジャン・プーセル

From.330-1500

ルネサンス

「再生」や「復興」を意味するフランス語で、14世紀後半〜16世紀にかけてヨーロッパ(主にイタリア)で起こった文化・芸術の革新運動を指します。
中世の宗教中心の世界観から脱し、古代ギリシャ・ローマの芸術や思想の再発見に基づいて、人間性や自然への関心が高まった時代です。


人間中心・遠近法


レオナルド・ダ・ヴィンチ 作品紹介
ミケランジェロ・ブオナローティ 作品紹介
ラファエロ

From.1400-1600

マニエリスム

「マニエリスム」という言葉は、イタリア語の「maniera(様式、手法)」に由来し、「洗練された様式」や「作為的な手法」といった意味を含みます。
ルネサンスの理想的な均衡や調和に対する反動として現れ、より感情的・複雑・人工的な表現が好まれました。


誇張・不安定な構図


ミケランジェロ・ブオナローティ 作品紹介
エル・グレコ
パルミジャニーノ

From.1520-1600

バロック

「バロック」はもともとポルトガル語の barroco(いびつな真珠)に由来し、当初は否定的な意味で使われましたが、現在では一つの時代様式として広く認知されています。
ルネサンスやマニエリスムと比べて、感情的・劇的・動的・壮大な表現を特徴とし、見る者を圧倒し感動させることを目的としています。


劇的・動きと光


カラヴァッジョ 作品紹介
ルーベンス
レンブラント・ファン・レイン 作品紹介
ベルニーニ

From.1600-1750

ロココ

「ロココ」は、フランス語の「rocaille(ロカイユ=貝殻の装飾や岩)」に由来します。
もともとは装飾芸術(室内装飾、家具、工芸など)から発展した様式で、のちに絵画・建築・彫刻にも広がりました。
バロックの荘厳・劇的な様式とは対照的に、軽やか・優美・装飾的で、繊細な感性を大切にしたのがロココです。


軽快・優雅・官能


ジャン・オノレ・フラゴナール
フランソワ・ブーシェ
アントワーヌ・ヴァトー

From.1720-1780

新古典主義

古代ギリシャ・ローマの理想や秩序を重んじた美術様式です。
ロココの装飾的・感覚的な表現に対する反動として生まれ、理性・道徳・簡素さを重視しました。フランス革命や啓蒙思想とも深く関係しています。


古代回帰・理性


ジャック=ルイ・ダヴィッド
ドミニク・アングル
アントニオ・カノーヴァ

From.1750-1830

ロマン主義

理性や秩序を重んじた新古典主義に対し、感情・個性・想像力・自然・自由を強調しました。
歴史や異国、自然の驚異などドラマティックな主題が好まれました。


感情・幻想・自然


ウジェーヌ・ドラクロワ
テオドール・ジェリコー
ターナー

From.1800-1850

写実主義(レアリスム)

理想化を避けて現実の社会や日常生活をありのままに描くことを目指しました。
ロマン主義の感情的・空想的な表現に対する反動として生まれ、労働者や農民など、当時の一般民衆の姿を真正面から取り上げました。
社会問題や現実の厳しさに目を向ける姿勢が特徴です。


現実描写・社会的関心


クールベ
ジャン=フランソワ・ミレー 作品紹介
ドーミエ

From.1830-1870

印象派

光や空気の変化を捉え、瞬間的な印象や風景の移ろいを描くことを重視しました。
伝統的なアカデミー美術に反発し、輪郭線を省き、明るい色彩や短い筆触で屋外の自然を表現しました。
産業革命後の都市や郊外の風景、現代の生活が主な題材です。


光の変化・筆触分割


クロード・モネ 作品紹介 人物紹介
ピエール=オーギュスト・ルノワール 作品紹介
エドガー・ドガ 作品紹介
ベルト・モリゾ

From.1870-1900

ポスト印象派

印象派の技法や色彩を引き継ぎながらも、より構成的・内面的・象徴的な表現を追求した19世紀末の美術潮流です。
単なる視覚の印象ではなく、画家の感情や思想を込めた表現が特徴です。
各作家が独自のスタイルを築き、後の現代美術に大きな影響を与えました。


主観性・構成性


ビンセント・ファン・ゴッホ 作品紹介
ポール・セザンヌ 作品紹介
ポール・ゴーギャン 作品紹介
ジョルジュ・スーラ 作品紹介

From.1880-1905

象徴主義、アール・ヌーヴォー

象徴主義は19世紀末に興った芸術運動で、現実描写よりも夢・神話・内面世界・神秘性を重視し、詩的で幻想的なイメージを追求しました。
象徴や寓意を多用し、精神的・哲学的な主題を扱います(代表:モロー、ルドン)。

アール・ヌーヴォーは同時期に流行した装飾美術運動で、自然界の曲線(草花・蔦・女性の髪など)をモチーフとした優美で有機的なデザインが特徴です。


夢・装飾・幻想


グスタフ・クリムト 作品紹介
エドヴァルド・ムンク 作品紹介
ビアズリー
モロー

From.1890-1910

フォーヴィスム、キュビスム

フォーヴィスム(野獣派)は20世紀初頭に登場した美術運動で、激しい色彩と単純化された形によって感情を大胆に表現しました。
自然の再現よりも、色そのものの力を重視したのが特徴です。

キュビスム(立体派)はピカソとブラックによって始められた運動で、対象を幾何学的に分解・再構成し、複数の視点を同時に画面に表現しました。
現実の再現ではなく、構造としての現実を描こうとしたのが特徴です。


色彩・形の革新


パブロ・ピカソ 作品紹介 人物紹介
ダヴィッド
アングル
カノーヴァ

From.1905-1915

未来派、表現主義、ダダイズム


動き・感情・反芸術


ウンベルト・ボッチョーニ
クルト・シュヴィッタース
マルセル・デュシャン

From.1909-1925

シュルレアリスム(超現実主義)


無意識・夢


サルバドール・ダリ 作品紹介 人物紹介
ルネ・マグリット 作品紹介
ジョアン・ミロ 作品紹介
タンギー

From.1924-1940

抽象表現主義


自由な筆致・内面表現


ジャクソン・ポロック
ロスコ
バーネット・ニューマン
デ・クーニング

From.1943-1960

ポップアート、ミニマリズム


大衆文化・簡素な形


アンディ・ウォーホル
リキテンスタイン
ジャッド
フラヴィン

From.1955-1980

コンセプチュアルアート、ランドアート


アイデア・自然との関係


ジョセフ・コスース
ロバート・スミッソン
クリスト

From.1960-1980

ポストモダンアート


多様性・引用・皮肉


ジェフ・クーンズ
バスキア
シンディ・シャーマン

From.1970-2000

デジタルアート


CG・インタラクティブ


ラファエル・ロサノ=ヘメル
草間彌生(後期作)

From.1980-NOW

NFTアート


所有の新概念


Beeple
Pak
FEWOCiOUS
村上隆(デジタル作品)

From.2020-NOW