クロード・モネの意外すぎる5つの豆知識をご紹介!『印象派』は皮肉から生まれた!?

クロード・モネは「印象派の巨匠」として世界的に知られていますが、彼の人生には意外なエピソードや驚くべき事実が詰まっています。
モネの魅力をより深く知るために、一般的にはあまり知られていない興味深い豆知識を紹介します。

モネはほぼ失明状態で名作を描いた

モネは晩年、白内障を患い、視力が極端に低下しました。
白内障の影響で青や紫が見えにくくなり、世界が黄色がかったぼやけた光景に映るようになったと言われています。
そのため、晩年の彼の作品には赤や黄色が強調されたものが多く見られます。

しかし、視力が衰えてもモネは決して絵筆を置きませんでした。
視界がぼやける中でも彼は記憶と感覚を頼りに、代表作である『睡蓮』シリーズを描き続けました。手術を受けた後も色の見え方が以前とは異なり、時には青が強調されすぎて見えることもあったそうです。
光の中にいるような淡い色彩とは違い、力強いタッチで全く異なっているのが分かりますが、白内障が進行した彼にとって、これが自然な色合いだったのかもしれません。
それでも彼は創作を続け、結果として幻想的なタッチの名作が生まれたのです。

▼睡蓮シリーズ

睡蓮 柳の反映

▼バラの小道、ジヴェルニー

バラの小道、ジヴェルニー

印象派」という名前はモネの作品がバカにされて生まれた

印象派(Impressionism)」という芸術運動の名称は、モネの作品《印象・日の出(Impression, soleil levant)》に由来しています。しかし、これは称賛の言葉ではなく、当時の批評家ルイ・ルロワによる皮肉がきっかけでした。

1874年、モネを含む若手画家たちは、公式なサロンに作品が認められず、「落選者展(サロン・デ・ルフュゼ)」を開催しました。そこで発表された《印象・日の出》を見たルロワは、「これは完成した絵ではなく、ただの『印象』にすぎない」と辛辣な批評を展開。この言葉が広まり、やがて「印象派」という名称として定着しました。

当時の画壇では、輪郭のはっきりしないモネのような絵は「未完成」とみなされ、印象派の画家たちは長らく評価されませんでした。しかし、今ではその革新的な表現技法が高く評価され、印象派は美術史において最も重要なムーブメントの一つとなっています。

庭造りにも本気すぎた!モネのジヴェルニーの庭

モネは晩年、フランス・ジヴェルニーにある自宅の庭にこだわり抜きました。単なる趣味ではなく、庭そのものが彼のキャンバスとなるほどの情熱を注ぎ込んだのです。

1889 年末、商人のポール・デュラン=リュエルの資金援助を受けて、モネは土地を購入しました。
もともとプレソワール家の庭は大きな果樹園で、家の前と中央通路の両側に花壇がありました。モネはこの構造をそのまま残しましたが、果樹を花壇に置き換えました。

日本庭園に強く影響を受けており、睡蓮の池や太鼓橋をデザインし、自ら植物の選定も行いました。とりわけ、彼の代名詞ともいえる『睡蓮』シリーズは、この庭がなければ生まれなかった作品です。

この庭を維持するには莫大な費用がかかりました。庭師を何人も雇い、大量の植物を輸入するなど、維持管理には莫大な出費が必要だったのです。そのため、モネは絵を売って庭の資金を確保しなければならないほど、庭造りにのめり込んでいました。

▼睡蓮の池と日本の橋

睡蓮の池と日本の橋

モネはパリ万博のカツカレーに影響を受けていた!?

モネは生涯にわたって日本文化に強い関心を持ち、多くの浮世絵を収集していました。葛飾北斎や歌川広重の作品を愛し、彼の家には数多くの日本の版画が飾られていました。

また、1878年のパリ万博では日本の展示が話題を集め、モネもその影響を受けたとされています。
万博では日本庭園や日本の美術工芸が紹介され、西洋の芸術家たちに衝撃を与えました。
モネのジヴェルニーの庭に日本風の橋があるのも、この影響が大きいと言われています。

ちなみに、この万博ではカツカレーの原型となる料理も紹介されていたと言われており、もしかすると、モネとカツカレーは意外なところでつながっていたのかもしれません。

お金に困ったモネ、セーヌ川で絵を「釣ろう」とした⁉

モネは若い頃、経済的に非常に苦しい時期がありました。
画家としての成功を目指していましたが、なかなか作品が売れず、生活は困窮。画材を買うお金もなく、どうにかして生計を立てる必要がありました。

そこで彼が考えた奇抜な方法が「川で絵を売る」ことでした。なんと彼はセーヌ川にキャンバスを浮かべ、魚を描いて売ろうとしたという逸話があります。
実際に魚を釣ったわけではありませんが、「絵を描いて生活費を稼ぐ」という意味では、まさに彼の芸術家としての人生を象徴するようなエピソードです。

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